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ポイント:ライフイベント、事業計画、ライフプラン、リスクマネジメント、個人事業主

ライフイベントと事業計画の密接な関係


 私は中小企業診断士であるが、診断先は企業だけではない。個人事業主からの依頼は多い。同族会社もそうだが、特に夫婦だけでやっている個人事業主にとって経営計画は、そのままライフプランの収支計画に連動する。

 通常、診断士は内部環境、外部環境、市場規模などを根拠に経営計画を立案する。しかし、個人事業主にとって内部環境、外部環境、市場規模などあまり関心がない場合が多い。それよりも、子供が学校に入るから学費がいる、住宅ローンはどうしよう、趣味には金を使いたい、歳をとったらベンツにのりたい・・・等の理由のほうが生活に密着しており、わかりやすい。実際にこれまで学んできた経営学には若干反するが、頑張っている個人事情主達を前にして、これらの欲求を一概に否定し、「内部環境、外部環境、市場規模などを根拠に経営計画を立てなければいけません」と言い切ることはできない。個人事業主に経営計画の立て方を説明するのも 私の大きな役目であるが、教科書で学んだことだけに終始していては、ここに業務日誌を掲載する必要も無い。

 顧客によっては私は、個人事業主とその家族の手でライフプランをまず作成する。それには家族のこれからの夢の実現と現実に発生するイベントを記入してもらう。先ほど記述した子供の学費、住宅ローン、車の購入時期などである。これは通常の経営計画よりも、かなり長期になる。なぜなら、子供の学費や住宅ローン等は、入学する学校が私学か公立かといった変更はあるものの、ある程度(数パターン)は決定できるものだからだ。今後20年、30年といったライフイベントから、プランに必要な金額を記入し、ライフプランを作成する。生命保険のセールスマンが保険の提案時に作成するものと同じ考えである。

 当事務所では、ライフプランに必要な金額と時期を明確にした後、その実現に必要な家庭内収支のシミュレーション、そのシミュレーションを実現するための本来の診断士の仕事である、損益計画、CF計画などを作成する。と同時にリスクを事前に可能な限り予測して、リスクをコントロールする提案を行う。

このライフプランに対してファイナンスの部分でリスクを回避するのが生命保険のセールスマンである。リスク・コントロールとリスク・ファイナンシングが融合して、リスクマネジメントの精度がより向上すると考えている。

以下は私が継続改善しているライフイベント+資金シミュレーションの表である。まだまだ、改善の余地が大いにあり、実際に改善中である。改善案のアイディアがあれば、気軽に問合せ・感想フォームに記載していただけるとありがたい。

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2004年8月9日 宿澤直正


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