[事務所TOP] [コラム一覧へ]

ポイント:BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とは、顧客満足(CS)、従業員満足(ES)、業務フロー、ベンチマーキング

BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とは


 BPRとは企業活動に関するある目標(売上高、収益率など)を設定し、それを達成するために業務内容や業務の流れ、組織構造を分析、最適化すること、と定義される。この、ある目標を最近は顧客満足(CS)や従業員満足(ES)を評価指標としている企業も多い。よく、BPRはITに関しての用語だと勘違いされている方が多いが、そうではない。BPRをより高度化する上で、ITは便利なツールであると考えるとよい。ちょうどナレッジマネジメントとITの関係と同じである。ナレッジマネジメントの時は、「どんな情報をみんなで共有することが大切か」を十分検討することが大切だと述べた。ではBPRの場合は何を考えることが大切なのであろうか?

 BPRを考える上で避けて通れないのが、現状の業務プロセスの洗い出しである。BPRのBPは業務プロセスのことだから、当たり前の話である。この洗い出しには業務フローを作るとよい。業務フローは難しく考えないほうがよい。自己流で現在の帳票の流れ、作業の内容、担当部署を明確にしていけばよい。この現状の業務フローが出来たならば、よく眺めてみるとよい。意外と無駄や改善点が見えてくるのではないであろうか。私の考えるよい業務フロー(業務プロセス)は以下のようなものである。

 机上では物事がよく見える。実際の会社の動きを机上で表現したものが業務フローである。しかし、難しいのはこれからである。机上では無駄や改善点がよく見え、理想の業務フローが作成できるであろう。しかし、机上の理論を現実にするのは常に困難を伴う。業務フロー(業務プロセス)の見直しは、得をする部署や損をする部署が必ず出てくる。会社全体で見た場合、得をする部署が多ければ、全体的には最適化されるのだから変更を行ったほうがよいと思われるが、現実的にはそんな簡単にはいかない。ここで各部署の合意の形成が業務フロー(業務プロセス)の見直しで最も難しいところであろう。実際には部署ごとにメリット・デメリットを明確にし、じっくり話していくしかない。「社長の一声」という最終兵器もあるが、これは本当の最終兵器で協力使わないほうがよいと考える。

 業務フロー(業務プロセス)の見直しの際に、ベンチマーキングを使うことがある。これは類似分野の成功事例を調べて、自社に適用する方法である。成功事例ということで説得力はあるが、類似分野の成功が必ずしも自社に合うとは限らない。例えば、土地柄や、社風、従業員意識などはなかなか評価しにくいものである。

 ここまで使っていた、「業務フロー(業務プロセス)の見直し」がまさしくBPRである。BPRの提唱者、マイケル・ハマーはBPRを進める考え方を6つ述べている。どちらかというと経営者よりのドラスティックなやり方であるといえる。これが日本の企業文化にそのまま適用できるかは疑問があるが、理想はこの考え方だといえる。

関連コラム
業務フロー作成のススメ(3)〜業務フロー作成の狙い(後編) 2014年01月27日記述
業務フロー作成のススメ(2)〜業務フロー作成の狙い(前編) 2014年01月20日記述
業務フロー作成のススメ(1)〜業務フローは何のために作成する 2014年01月06日記述
ドキュメント管理への取組み−電子文書の役割 2006年04月24日記述
BPRとERPソフト導入の関係 2006年01月16日記述
企業向け検索ソフトの活用 2006年01月09日記述
ERPソフトとは 2006年01月02日記述
SOX法の基礎知識 2005年12月12日記述
内部統制の強化の促進−日本版SOX法− 2005年9月26日記述
BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とは 2005年1月31日記述
e-文書法施行について考えること 2005年1月17日記述

2005年1月31日 宿澤直正


[事務所TOP] [コラム一覧へ]

Copyright (C) 2005 宿澤経営情報事務所