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ポイント:実名でのネット活用、総務省、ネット犯罪が跋扈、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)

実名でのネット活用促す総務省


 15年ぐらい昔、Webブラウザの装飾された文字や画像が表示された画面を始めてみたとき、これまでパソコン通信で文字でやり取りしていた自分にとって、本当に衝撃だった。まだ公開されているサイトは本当に少なく、雑誌に一通り紹介されてしまう程度であったが、それでも「インターネット」という言葉に無限の可能性を感じ、とても魅力的な言葉に聞こえた。

 それから「インターネット」は私の様な凡人の想像をはるかに超え、強大なものに成長した。利用者が増えれば規模の経済を発揮し、また雪だるま的に成長する。そして、ネットバブルの声とともに、実に様々なビジネスが登場し、消えていった。それでも「インターネット」は成長を続ける。今では、人々の生活に欠かせないものになりつつある。

 ここまで「インターネット」が成長し、いろいろな人に多種多様に使われ始めると、有史以来「犯罪」がなくならないように、ネット犯罪が跋扈し始めている。「インターネット」は知っている人と知らない人の差が激しい。こういう「情報の非対称性」をついた犯罪が次々と出てきて、新聞を騒がしている。

 「インターネット」は人と人との対面がないのと、(実はそんなに複雑ではないのだが)次々に開発される複雑そうに見える技術が、巨大な「闇」を生み出している。先の明らかな「ネット犯罪」もだが、もっと恐ろしいのは「集団自殺サークル」「残酷な動画の公開」「人・店の誹謗中傷の書込み」などもう犯罪に足を突っ込んでいるが、本人にはその意識がない「ネット上の闇」である。こういう「ネット上の闇」はネットの匿名性の高さが本人の罪の意識を麻痺させているように感じる。

 そんな中で、総務省は27日、自殺サイトなど「悪の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が高いとされるインターネットでは、自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。今週(7/4の週)初めに発表する総務省の「情報フロンティア研究会」の最終報告書に盛り込むそうだ。

 ブログや巨大掲示板サイトなどは特に匿名性が高い。しかし、匿名性が高いので使われる面もあるので全否定はできない。ただ、今後は参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広げることを目的に開設されたコミュニティ型のWebサイトSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)の利用が増えてくるのではないかと思う。

 交通事故があるから「車」は使わない。火事があるから「火」は使わない、とはならないように、インターネットも「ネット犯罪」「悪の温床」の部分があるから使わない、とはならないと思う。正しく、健全に使えば非常に便利なものであり、また 、ITは人類の発展には欠かせないものであるからである。これは、もはや技術的にどうかなるものではない。法や道徳も含め社会全体で取り組むべきものである。

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2005年7月04日 宿澤直正


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