ポイント:レビューミーティング、問題発見能力の高さをPR、参加者の集中力、表面的な欠陥、事前チェック、インスペクションプロセス
前回のコラムから、レビューミーティングでやってはいけない五つのことを、私の主観ですが、ちょっと泥臭い視点で考えています。 前回は五つのうち、二つについて考えてみました。 今回は残りの三つについて考えてみたいと思います。
これも少し泥臭い話ですが、レビューミーティングで指摘をどんどんし、自分の問題発見能力の高さをPRしてやろう!という人がいたとします。
レビューミーティングで指摘をどんどんとすることは悪いことはなく、むしろいいことです。 指摘がされないより、指摘がされるレビューミーティングの方が当然活性化します。
しかし、指摘する目的が「自分の問題発見能力の高さをPR」するとなると話は変わってきます。 その目的は「態度」に出ます。 上から目線の指摘に嫌な思いをする人もいるでしょう。 誰も好き好んで上から目線で欠陥を指摘されたい人はいないと思います。
指摘の目的は「成果物の品質アップ」であると意識して、レビューミーティングに参加すれば、それも「態度」に出ます。 そして、その気持ちは仲間にも伝わっていきます。
指摘の仕方一つで、相手への伝わり方も変わっていきます。 指摘の目的は「(仲間の)成果物の品質アップ」で、決して「自分の問題発見能力の高さをPR」する場ではないことを意識してレビューミーティングに参加したいです。
人間が集中できるには時間の限度があります。 レビューミーティングを何時間もぶっ続けで行うのは、指摘の効率を落としていきます。
普通の人ならば二時間もたてば、集中力がだんだんと落ちていくと感じます。 当たり前ですが、適度な休憩をとりながらレビューミーティングを進めていってほしいと思います。
また、レビューミーティングの参加者の集中力を高めるには他にも方法があります。 例えば、「部屋の空気を換気する」「空調の温度を少し落とす」「説明のスピードに変化を付ける」「少し体を動かす」…などです。
これらのキッカケはレビューミーティングでの司会者が配慮を行います。 レビューミーティングの参加者があくびをし始めたり、腕組みや足の組み替えを頻繁に行ったり、貧乏ゆすりを始めたら要注意です。
欠陥の指摘に集中できるよう、その場の環境にも気を付けていきたいです。
レビューミーティングで誤字脱字など表面的な欠陥しか指摘がされない、という問題もよく聞きます。 レビューミーティングで表面的な欠陥しか指摘がされない時は、参加者が事前に準備ができなかった場合が考えられます。
レビューミーティングの事前チェックの段階で、いかに表面的な小さな欠陥を指摘できるかがポイントです。 事前チェックの段階で小さな欠陥を指摘できていないとすると、レビューミーティングの段階で小さな欠陥も指摘しないといけない状況になります。 すると、レビューミーティングで大小合わせてたくさんの欠陥をしてしないといけないので、おのずと見つけやすい小さな欠陥の発見ばかりになってしまうのです。
事前チェックの段階で個人でも見つけられる小さな欠陥を指摘してあれば、レビューミーティングでは残った深い欠陥を指摘せざるを得ないことになります。
いかに事前チェックが大切かということです。 レビューの技法であるインスペクションのプロセスでは「事前準備の徹底」を求めています。 インスペクションが効率的に欠陥を見つけることができる一つの理由だと思います。。
レビューミーティングでやってはいけない五つのことを、私の主観ですが、ちょっと泥臭い視点で考えてみました。 何かのお役にたてれれば幸いです。
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2014年02月17日 宿澤直正 記
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