一宮商工会議所で「DX入門」のセミナーを行いました。
小難しい理論や横文字だらけの話は極力避けて、自分がこれまで現場で体験してきたことをベースにお話ししてきました。
セミナーでは、DXを推進する上で最も大切にしている考え方を伝えました。
それは「デジタル化によって関わる人みんなが幸せになること」をDXの目的に据えるということです。
技術やツールの導入が先にあるのではなく、あくまで人の幸せが出発点なのです。
この視点を持つことで、現場の「困りごと」に向き合い、共感と納得感を育てながらDXを進めることができると実感しています。
今日は、自分が考えるDX推進の核心を4つのポイントにまとめてお伝えします。
一つ目は「みんなの幸せ」をDXの目的に据えることです。
DXを進める上で最も重要なマインドセットは、IT導入そのものを目的にしないことです。目指すべきは「みんなが幸せになること」なのです。
身の丈に合わないツールを無理に導入したり、現場の都合を無視して機器だけを入れたりしないことです。
かえって混乱を招き、現場が不幸になります。従業員が働きやすくなること、顧客や取引先との関係性が良くなることが本来のDXです。
二つ目は「困りごと」という本音を吸い上げることです。
きれいに整理されたアンケートではなく、現場の切実な感情をそのまま吐き出してもらう場を作ることが、DX推進の出発点になります。
そして集まった声を生成AIでグルーピングし「みんなからこういう声が多いから、この順序で解決しよう」と提示します。
トップダウンだけではなく「みんなの総意」として納得感を持って進めることができます。
三つ目は「やらされ仕事」にしない組織づくりです。
「DX推進部」のような専門部署を作ると「彼らがやってくれるもの」と他人事のように捉え、自分ごととして考えなくなってしまうことがあります。
専門部署が悪いのではなく、専門部署の役割を明確にすることです。
その役割は、自分達の決めたツールを導入することではなく、みんながDXしてみたいと気持ちを動かしていくことです。
最後は「小さな成功」と「失敗」の共有でワクワク感を作ることです。
壮大な計画よりも、小さな変化を共有することで「自分たちにもできる」「便利になった」というワクワク感を組織全体に広げることができます。
「ここが楽になった」という成功体験だけでなく、「こうやったら失敗した」という失敗体験も含めて共有します。
失敗を許容し共有する文化が、組織全体の巻き込みにつながります。




