名古屋産業振興公社の創業セミナー「販路開拓」でした。
この創業セミナーは毎回熱心な人たちが参加するので自分も燃えます。最近、創業支援を行う際に感じることをメモしておきます。

創業の際に陥りがちな「聴き過ぎ問題」があります。それは創業時の不安からくるものです。
創業時に多くの方が成功者の話を聞こうと、セミナーに参加したり、先輩起業家に話を聞いたりします。もちろん、悪いことではありません。

ここに落とし穴があります。
あまりにも多くの「成功事例」を聴きすぎると、自分が本当にやりたかったことや、自分の強みが何だったのかを見失ってしまうのです。

成功事例を参考にすることは大切ですが、それをそのまま真似することには大きなリスクがあります。
まず、成功事例というのは、その人がその時代、その環境、その市場で成功した方法です。

その人が置かれた状況とは前提条件が異なります。
また、真似をした瞬間に数多くいるライバルと同じ立ち位置になってしまいます。差別化ができず個性がわかりにくくなっていきます。

また、人の成功体験はよくわからない強烈な魅力を放つもので、挑戦の足かせになることもあります。
「あの人はこうやって成功したから」という思い込みが、市場の声を素直に受け止めることを妨げてしまうのです。

まず「自分しかできないこと」を見つけることが大切だと考えます。相談者の経験、人脈、価値観の組み合わせから生まれるものです。
誰かの成功事例をなぞるのではなく、自分の体験を尊重する…ことです。

実は、失敗体験こそが最大の財産になることがあります。
自分が直面した問題、困ったことなどを自分なりの方法で解決しようとする過程で、独自のノウハウやサービスが生まれます。

これは、誰かの成功事例を真似するよりも、はるかに強い競争力になります。
なぜなら、その問題で困っている人は他にもいるからです。そして、あなたの解決方法は、実体験に基づいた説得力があります。

もちろん、まったくアドバイスを聞かないというわけではありません。大切なのは、情報との向き合い方です。
他者の意見や事例は「参考」にはしますが、「答え」にはしないことです。

自分の頭で考え、自分の状況に合わせてカスタマイズする。そして何より、自分の直感や価値観を大切にする。
このバランスが、創業時には特に重要だと感じています。

セミナー終了後、「システム開発の生産性向上」研修のため大阪に移動をしました。
大阪福島の「西梅田 らんぷ」というラーメン屋が好きすぎて替え玉をしたところ、お腹が苦しすぎて結構な距離を散歩しています。