コスモアカデミーで「システム開発における見積もり技法」の一日研修を担当してきました。
この研修はいつも以上に頭をフル回転させるので、1日研修が終わると本当にヘロヘロになってしまいます。
見積もり技法には多種多様な手法がありますが、手法だけだけを学ぶのではなく、見積もりそのものを考えることを重視します。
なぜなら、見積もり書はユーザーとベンダーのコミュニケーションツールだと考えているからです。
ユーザーとベンダーが見積もりを介してきちんと議論し、お互いを分かり合えたプロジェクトは、その後うまくいくことが多いと感じます。
逆に言えば、見積もりの段階でコミュニケーションが不十分だと、後々トラブルの原因になりがちです。
そんなシステム開発の見積もりも、生成AIの活用の場面が多いです。
今回の研修でも、生成AIを活用した見積もり手法についていくつか盛り込みました。
見積もりには具体性に応じて3つの段階があります。「試算」「概算」「詳細」です。
まず「試算見積もり」は、まだどんなシステムかよくわからない状態で、予算確保のための一般論的な見積もりが欲しいという段階です。
従来は「このシステムでこの規模だったら、大体これぐらいかな」という経験則での情報提供が中心でした。
ただ、これではなかなか根拠が乏しいのが正直なところです。
そこで生成AIに対して、システムの概要や社内の状況などを入力して問いかけます。
すると、見積もり根拠や見積条件などイメージの湧きやすい説明が出てきます。
さらに金額だけでなく、リスクやスケジュールも助言がもらえます。
また、あまりよくないですが「予算が決まっている(汗)」場合は、その金額での機能ごとの割り当てなども助言してもらえます。
「概算見積もり」になると、RFPに基づく提案の見積もりとなります。
この数字をもとにプロジェクトが進むため、ここで数字がぶれると後々大きな問題となります。
この段階では、過去の見積もり情報、見積の根拠資料、社内のスキルマップなど、社内の蓄積された情報をふまえて問いかけます。
それが答えではないですが、自分たちと生成AIの見積もりを比較し、そのギャップを検証するとよいです。
「詳細見積もり」は、WBSに基づくボトムアップ式の見積もりで、プロジェクト管理などで使われます。
WBSの分解や各ワークパッケージの工数見積もり、その根拠を出してもらうことができます。
それ以外でも、見積もりに対するチェックリストを活用して、大事な視点が抜けていないかの確認もできます。
ただの効率化ツールではなく、見積もりの品質向上や、ユーザーとベンダーの間のコミュニケーションをより豊かにするツールとして活用できそうです。
夜は「まんまる村」の夜会へ参加しました。久々にお会いする方も多かったです。
一日研修で思考が停止している中での飲み会だったので、何か訳のわからないことを言っていたような気がします。





