名古屋市新事業支援センターでのITマネージャー業務を終えた後、
中小企業政策研究会に参加してきました。今回のテーマはカスハラ対策です。
自分はカスハラ対策を勘違いしていました。
以前は、暴言や理不尽な要求への対応方法、つまり「その場でどう対処するか」という戦術的なものを想像していました。
クレーム対応のテクニックや、怒っているお客様への接し方といった、いわゆる「技」や「術」のようなものです。
ところが、実際に研究会で学んだことは、自分の考えていたこととは異なっていました。
もちろん、暴言に対する対応といった戦術も大切です。
ただ、それ以上に重要なのは「どのようにしてカスハラを生み出さないか」「生み出してしまったらどう対処するか」という戦略の方なのです。
つまり、カスハラ対策とは「理念を実現するマネジメントシステムの構築」だということです。
具体的には、方針やルールの策定、周知徹底、PDCAサイクルの運用といった、いわゆるマネジメントシステムそのものを指します。
これは中小企業診断士であれば得意な領域のはずなのですが、恥ずかしながら、その知識をカスハラ対策に結びつけて考えたことがありませんでした。
まずはカスハラへの対応にマネジメントシステムが重要だと理解し、それを組織に根付かせていくことからスタートする必要があるのです。
研究会では、具体的な取り組みとして「カスハラ対策方針の策定と公表」、そして「カスハラ対応マニュアル作成と周知」が挙げられていました。
さらに、今回の研究会を通じて、そもそもハラスメント対策とは何かということについても、改めて考えさせられました。
ハラスメント対策とは、理念や想いの実現に向けて、社内の人たち、顧客やパートナー、地域で関わる人みんなが安心して過ごせるようにする仕組み作りなのだと感じました。
こう考えると、技や術だけでは対応が難しく、仕組み作りという戦略が大切なのがよく理解できます。
今回の研究会は、カスハラ対策に対する自分の認識を大きく変える貴重な機会となりました。
これまで持っていた思い込みに気づき、より本質的なアプローチを学べたことは、今後の業務にも大きく活かせそうです。




