[事務所TOP] [コラム一覧へ]

ポイント:Web2.0、Web3.0、ネットとリアルの融合、仮想社会、実物社会、地域コミュニティサイト、CGM、エリアログ、うたって検索

ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合


Web2.0の次に来るもの?

 Web2.0に関しての調査・報告を行なっているが、Web3.0というキーワードが既に言われ始めています。Web2.0との境界線の曖昧な考え方を提示してWeb3.0と定義付けている情報も多く、Web3.0に関しては、言葉遊びの域を出ないものです。

 ただ、それでも、Web2.0の発想を色濃く受け継ぎながら、様々な発想が出てきていることはとても歓迎すべきです。このようにユーザーが自由に発言する事が集合知になっていくですから、いまの混沌としたWeb2.0の次への議論は、将来的に何かを生み出すきっかけになっていくと思います。

 議論の中でも、「なるほど」と思うものに、ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合があります。確かにこの現象は、既にいろいろな場面でお目見えしています。

地域コミュニティサイト

 ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合での特徴的な現象として既に多く現れているのが、地域コミュニティサイトです。

 Web2.0では、ブログ、SNSなどの消費者の声を集める「口コミの見る化」という現象があります。本来口コミというものは、地域を絞り、商品を絞り、お店を絞った限定情報に威力を発揮するものです。これまで、インターネットのメリットそして挙げられている「商圏が全国である」ということは今後も活かされていくと考えられますが、ブログ、SNS といったCGM(消費者発信メディア)の口コミをより効果的に活用するために、あえて商圏を全国に設定しないWebサイトが増えていくと考えています。SNSに多い、地域コミュニティなどは、この例です。

 地域コミュニティサイトでは、情報の発信側と受信側の距離感が大切です。情報を見つけるのはネット(仮想社会)です。そして、それを活用するのはリアル(実物社会)です。つまり発信側と受信側の距離感が離れてすぎていると地域コミュニティサイトとして成り立ちません。

 地域コミュニティ形成時には地域が限定されることにより注意すべき事があります。地域を限定しすぎると、その住民の絶対数が減り、ネット利用者も減ってしまうのです。ターゲット地域をどの程度の広さに設定するか、小さなエリアのコミュニティをまとめたポータルサイトの設置などが課題となります。どれぐらいの距離感をもって地域コミュニティとするかは、仮説・検証しながら決めていく事になると思います。

 地図でエリアを明確にして、それに対してブログを書いていくエリアログなど面白い試みも多く出てきているので、これから注目していきたいと思います。

リアルをネットで検索

 auでは、総合音楽サービス「LISMO」の新サービス「LISMO Music Search」の提供を開始したそうです。LISMO Music Searchは、さまざまな方法で楽曲を検索し、検索結果から着うたフルやビデオクリップなどのダウンロードやCD/DVDの購入、アーティストのプロフィールや歌詞、楽曲レビューの取得などが可能となる総合楽曲検索サービスです。

 この検索メニューの中に、携帯電話に向かって鼻歌を歌う「うたって検索」があります。これなんかは、正しくリアル世界のモノをネットで検索するという、ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合といえるかもしれません。

 これからネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合するために様々な方法論や技術が出てくる事が予想されます。この際にネットの隆盛によって危惧されているリアルなコミュニケーションの希薄化傾向を払拭する考えが出てくるとよいなぁ、と個人的に思っています。

関連コラム
携帯サイトに人を集めるには(後編) 2007年07月30日記述
携帯サイトに人を集めるには(中編) 2007年07月23日記述
携帯サイトに人を集めるには(前編) 2007年07月09日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(後編) 2007年06月18日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(前編) 2007年06月11日記述
ネットとリアルを融合させる新しい動き 2007年05月08日記述
ネットビジネス成功に向けての私の思うこと 2007年04月23日記述
ネットビジネスを始める方へ 2007年04月16日記述
ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合 2007年03月12日記述
Web2.0でいわれる進歩的性善説とは 2007年03月05日記述
Webサイトの集中化戦略と分散化戦略 2007年02月12日記述
個性を大切にする時代とロングテール 2007年02月05日記述
Web2.0の7つの定義をひとつのストーリに 2007年01月29日記述
携帯ネットビジネスの話題あれこれ 2007年01月15日記述
Web2.0的発想による口コミの見える化 2006年12月25日記述
ブログで世の中が見える 2006年11月27日記述
Web2.0の落とし穴とWeb2.0への批判 2006年09月18日記述
Web2.0が消費者に与える影響 2006年09月11日記述
Web2.0の基礎知識 2006年09月04日記述
ネットショップをAIDASで考える 2006年08月06日記述
ブログを商売に役立てる 2006年06月19日記述
RSSの活用範囲が広がっている 2006年05月29日記述
イントラブログで「暗黙知」を「形式知」へ 2006年05月22日記述
Web2.0に絡んでくると思われる技術 2006年05月08日記述
Web2.0とは、そしてWeb2.0にからむ現象 2006年05月01日記述
ビジネスブログに潜むリスク 2006年03月20日記述
総務省の事例集で見るビジネスブログの特徴 2006年03月13日記述
CGMの普及を後押しするWeb2.0とフィード 2006年01月30日記述
ブログとSNSの性格の違い 2005年12月05日記述
ブログとSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)2005年10月24日記述
ブログについて思うこと 2005年7月11日記述
実名でのネット活用促す総務省 2005年7月04日記述
RSSについて 2005年6月13日記述

2007年03月12日 宿澤直正


[事務所TOP] [コラム一覧へ]

Copyright (C) 2007 宿澤経営情報事務所