名古屋市新事業支援センターでのマネージャ業務から、生成AIと図解について考えたことを書きます。
相談者は耳が早くてGemini3、NanoBanana3、AntigravityといったGoogleの最新AIについての質問が多かったです。
特にNanoBananaProに文字入力機能が加わったことで、図解の性能が一気に向上しました。
もともとClaudeでもかなり優れたものができていたのですが、現在の図解パターンは大きく分けて2つあります。
1つ目は、ClaudeのようにSVG形式で出力するパターンです。
これは文字をコードで表現するので崩れることはありません。PowerPointにそのまま図として取り込んで修正することも可能で、非常に汎用性が高い方法です。
2つ目は、インフォグラフィックやグラフィックレコードなどの画像形式での出力です。
こちらはプロンプトでの修正のみで、自由な修正は基本的にできません。ChatGPTはこちらになります。ただ、NanoBananaProはその精度が格段に変わりました。
そんな中で、私の中で1つの懸念事項が生まれました。それは「妖怪図解人間」としての立ち位置です。
私は図解が大好きで「妖怪図解人間」と自称しています。最近は浸透してきて、打合せで図解を描き始めると「よ、妖怪」と言われることもあります。
しかし正直に言って、最近は論理性と緻密性で生成AIに負けていると思う時があります。
何よりも図解を作り上げるスピードが全く異なるのです。そろそろ「妖怪図解人間」も廃業かと思っていました。
しかし、私の「妖怪図解人間」の強みはそこではないと改めて思いました。弱みを強みに変換してみました。
つまり、完成した図解の精度ではAIに及ばないですが、図解を作るプロセスを説明付きで伝えられるというのが自分の強みなのです。
図解を完成形として出すだけのものであれば、これはAIに負けたと言わざるを得ません。
しかし、図解の活用場面である「相手の理解」「自分の整理」「相手への伝達」といった用途には、途中の作成プロセスが大切です。
そして、この思考のプロセスこそ、人が大事にしなくてはいけないところだと思います。
AIが瞬時に図解を生成できても、その図解がどのように組み立てられ、何を伝えようとしているのかを相手と共有しながら進めることに支援では価値があります。
「妖怪図解人間」は廃業せず、これからも現役です。
ただし、完成形の美しさで勝負するのではなく、一緒に考え、一緒に整理し、一緒に理解を深めていくプロセスを大切にする存在として頑張ります。




