名古屋市新事業支援センターでのマネージャ業務の日でした。
フルにいろいろな相談がありましたが、ChatGPTはじめ生成AIに絡む話はやはり多く、センターでもChatGPTのセミナーをさせてもらえそうです。

そして2023年7月4日に文科省から「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が出されました。
コンパクトにまとまった非常によいガイドラインで、発表された日に最初から最後まで一気読みをしてしまいました。

そもそもガイドラインが出された背景ですが、「生成AIが社会に急速に普及しつつある現状もあり、⼀定の考え⽅を⽰すことが必要」とあります。
実際に世の中では、一気に普及したこともあると思いますが「適正ではない使い方」も多いです。

ガイドラインは生成AIを「ある単語や⽂章の次に来る単語や⽂章を推測し、統計的にそれらしい応答を⽣成するものである」と説明しています。とてもわかりやすいです。
推測と確率による「それらしい回答」でしかないわけなので、間違いがあるのは当たり前です。

そして「⽣成AIを使いこなすには、指⽰⽂(プロンプト)への習熟が必要となるほか、回答は誤りを含むことがあり、最後は⾃分で判断するという基本姿勢が必要」には激しく同意です。
夏休み前でもあるので、この時期にガイドラインが出されたことはとてもよいと思います。

本当によいガイドラインなので一読いただきたいです。
まとめると学生に対しては不適切な利用例として「十分な生成AIの理解なしに活用する」「生成AIの自分の成果物として活用する」「自分でゼロから思考・調査する場面で活用する」ことをあげています。

また、適切な例としては「アイデアを出す途中段階で、⾜りない視点を⾒つけ議論を深める」「出力をたたき台として、⾃分なりに何度も推敲して、より良い⽂章とする」などをあげています。
他にも「⽣成AIが⽣成する誤りを教材として使⽤し、その性質に気付かせること」も適切で、大切な視点だと思います。

一方で、先生に対しては「近い将来に使いこなすための⼒が必要になるので、意識的に育てていく姿勢」が大切であると言っています。
ただ、そのためには「教師の側にもAIリテラシーが必要」で自分自身が使う必要性も伝えています。

同時に、先生には生成AIで業務効率化を進め「働き⽅改⾰」に繋げることを提言しています。
これは、企業にとっても言えることで生成AIが使い方によっては「働き⽅改⾰」につながることは、かなり実感として腹に落ちてきました。

このガイドラインで感じたことは、「生成AIは必須になるので、教える側が正しく理解し、生徒が間違った使い方をしないように指導する」ごとだと読み解きました。
「検索」が世に出た時も、同じで「検索リテラシー」の重要性が議論されました。

今回の「生成AI」も同じ状況だと思います。
メリットやリスクを大いに議論をして、皆で理解を深め、使いこなしていく試行錯誤期なのだと思います。
「検索」のときのように「生成AI」というツールを得て正しく使い、みんなで仕事のやり方を一段上げたいですね。