名古屋商工会議所でのIT専門相談でした。
「SNSでフォロワーが増えないんです。何かテクニックはありますか」という相談を、相談業務でよく耳にします。
確かに、SNSを活用してビジネスを展開したい人にとって、フォロワー数は気になる指標の一つでしょう。
しかし、フォロワー数そのものよりも大切なことがあるということです。
「とにかくたくさんの人に表示され、たくさんの人にフォローされないといけないですよね」という言葉をよく聞きます。
もしその方がインフルエンサーとして収益を上げることが目的なら、確かにその通りです。
しかし、自社の商品やサービスのPRや実際の購入につなげることが目的なら、話は別になります。
重要なのは、自分に興味を持ってくれる大切な人とどれだけつながり、さらにその関係を深められるかなのです。
「とにかくたくさんの人」にアプローチしようとする方の多くは、ターゲットを絞れていなかったり、SNSの利用目的が不明確だったりします。
その場合のSNS活用は、時間をどんどんと食い散らかしていってしまいます。
「この商品を買ってみよう」「この人に仕事を頼んでみよう」という判断は、かなり大変な意思決定です。
一方で「この人をちょっとフォローしてみよう」とは、意思決定の深さが全然違います。
この違いを理解せずにいると、フォロワーが増えても商品やサービスが売れないという状況に陥ってしまいます。
実際に、フォロワー数は少なくても、しっかりと商品やサービスを販売している方はたくさんいらっしゃいます。
SNSで収益性を追求する戦略と、SNSで商品やサービスを売る戦略は明確に異なります。
「収益性」は露出とリーチが重要ですが、「売る」には信頼関係の構築と適切なターゲティングが鍵になります。
たくさんの無関心な人とつながるよりも、少数でも関心のある人と深いつながりを築くことの方が価値があると感じます。
これは、リアルな世界での販売戦略と同じです。




