名古屋市新事業支援センターでのマネージャー相談でした。
7時間半センターにいて7時間が相談でした。休む暇がなく、相談が終ると「トイレどうぞ!」と案内されます。おじいちゃんみたいです。
がっつり生成AIの相談が多く、最近増えているのは「人のAIとの向き合い方」に関する話題になることが多いです。
以前に、ある企業の方から「AIに仕事を奪われるのではないか」という不安の声を聞きました。確かに、AIは驚異的な速さで仕事をこなします。
24時間休まず働き続けることもできます。私と違って休憩時間に必ずトイレも行きません。
こうした能力だけを見ると、人間が不要になるのではないかと感じるのも無理はありません。
しかし、実際にAIと向き合ってみると、人間とAIは得意分野がまったく異なることに気づきます。
人間には、ゼロから何かを生み出す創造力があります。相手の気持ちを汲み取る共感力もあります。善悪や文脈を読んだ倫理的な判断も、人間ならではの強みです。
そして何より、そもそも「何のためにこれをやるのか」という問いを立てる力は、現状では人間にしかありません。
AIと人間は役割を組み合わせることで、単独では到達できない成果を生み出すことができます。これが「共創」という考え方です。
AIとの関係は、大きく3つのステージで進化していくと考えています。
最初は「Tool(道具)」の段階です。検索や翻訳、要約など、主語は完全に人間で、AIは指示通りに動くだけです。
次に「Assistant(助手)」の段階があります。壁打ちや下書き作成など、思考プロセスの一部をAIが担うようになります。
そして最終的には「Partner(相互)」の段階へと進化します。ここでは、目標を共有し、対話しながら新しい価値を一緒に創造していきます。
また、生成AIと健全に向き合うためには5つの原則があると考えています。
一つ目は「主導権は人が持つ」ということです。最終的な意思決定と責任は人間が持ちます。AIが言ったからという理由だけで判断してはいけません。
二つ目は「ファクトチェック」です。AIはもっともらしく間違うことがあります。情報の裏付けは必須です。
三つ目は「プライバシー保護」です。機密情報や個人情報を安易に入力しないよう、データの取扱いには注意が必要です。
四つ目は「問いを磨く」ことです。良い答えには良い質問が必要です。プロンプトの指示力を高めることが、AIを使いこなす鍵になります。
五つ目は「学び続ける姿勢」です。技術は日々進化します。新しい可能性を常にアップデートしていく好奇心が大切です。
最近は、IT相談でもこうした話をすることが増えました。AIは人間の可能性を広げる最強のパートナーになれるはずです。
大切なのは、AIに何を任せて、人間が何を担うのかを明確にすることです。これからはAIとどう向き合うかは、私たち一人ひとりの選択にかかっています。




