関与先企業の「情報化推進PJ会議」でした。
約1年ほどやってきましたが「何のためにデジタル化をするのか」を話していませんでした。

今の世の中は急激なデジタル化への変革が進んでおり、当たり前のようにデジタル化を進める方向で議論をしていました。

どんなプロジェクトでも「目的の確認」は重要です。
メンバーの意識、知識のベースラインを合わせるためにも「何のためにデジタル化をするのか」の話をしました。

今の世の流れとして、民間企業や官公庁をまきこんで、デジタル化は世の中の大きな流れになっています。
DXの名のもとデジタル化を行うメリットが盛んに情報発信されています。

デジタル化によるメリットを活かして企業の競争力を高め、これから先も成長し続けることを目指していくことが大切です。

ただ、自分のところに相談に見える方で「DXがやりたいです」って来る人は一人もいません。
「困りました…」という悩みを聴いていたら、それは「DXですね」になることが多いです。

そして、それは「デジタル化を行うメリット」ではなくて、「デジタル化が遅れるリスク」への対策がほとんどです。

「デジタル化が遅れるリスク」の一例を挙げてみると…

・旧システム運用維持によりシステムの保守コストが増大する(2025年の崖)。
・情報のやり取りのデジタル化に遅れると、取引先との関係性で機会損失となる可能性がある。
・デジタル化に向けて改訂・整備される法律・規定に対応できなくなってしまう… など。

デジタル化には「時間」や「コスト」がかかります。
また、目の前の仕事に対処するのが精一杯になるものです。
そして、あえてデジタル化を行わなくても、現状通り仕事をしていけば「今」は仕事への対処が出来ます。

しかし、対処的に仕事をこなすことを続けた場合、ずっと忙しい状態が続いてします。
そうこうするうちに「システム保守費の増大」「情報のブラックボックス化」「取引の機会損失」「法への対応の遅れ」が顕在化してきます。

「今」あえてデジタル化を行わなくても、仕事への対処できるかもしれません。
しかし「少し未来」には「デジタル化が遅れるリスク」が顕在化してきます。

ある意味、デジタル化は「対処」から抜け出し、「少し未来」に向けて生き残るための「投資」なのだと思います。
そのための「時間」や「コスト」を捻出して、2025年には「崖の下」に取り残されないようにしたいですね。