名古屋商工会議所でのIT相談でした。「SNSでの上手に発信できない」という相談が多かったです。
「上手に発信」という悩みは、ツールの使い方だったり、テクニックの話だったりします。
ただ、一般的には下手と思われそうな投稿でも印象に残る投稿は確実にあります。
逆に、「上手」でもただ「わかりやすい」で終わる投稿もあります。「正しく美しい投稿」を目指すあまり、個性を失っているのです。
大切なのは溢れるコンテンツの中で「印象に残るかどうか?」だと思っています。
内容がよくても「どこかで見たコンテンツ」は「ああ。またか」と簡単にスキップされてしまいます。
あるお菓子屋さんの話です。
プロのカメラマンに撮影してもらった素晴らしい写真より、焼き上がりのパンの「まだ誰も見ていない」瞬間を自分で撮った少し見にくい写真の方が反応がよくて不思議…とのことでした。
技術的には拙いかもしれませんが、その写真からは「作り手の思い」が伝わってきました。
完璧さよりも、見る人の心に残る「何か」があったのです。
現代のSNSは情報過多です。生成AIの普及により「それなりに良いコンテンツ」は誰でも簡単に作れる時代になりました。
多くの方から「AIを使ったコンテンツ作成」について質問されます。
しかし、技術的に洗練されていても、「どこかで見たような」コンテンツはすぐにスキップされます。
重要なのは、その投稿が持つ「その人の経験や視点に基づいた唯一無二な」コンテンツで、それが印象に残ります。
自分が大切だと思っている印象に残る投稿のための3つのポイントは以下になります。
一つ目は「具体的な体験を語る」です。抽象的な一般論ではなく、自分だけが持つ具体的な体験です。
二つ目は「視点の独自性」です。「正しさ」や「わかりやすさ」を追求するあまり、自分の視点を失わないことです。
異なる意見に対する自分なりの考察や、常識とは少し違う切り口で物事を見ることが、印象に残ります。
三つ目は「試行錯誤のプロセス」です。完成されたものだけを見せるのではなく、そこに至るまでの試行錯誤も印象に残ります。
失敗や反省を含めた「人間らしさ」が、共感を生み出します。




