盛岡での「チームリーダーのための教える技術」の2日目で無事に終了しました。
台風の影響で帰りの新幹線が遅延し、東京駅でビールとお寿司という思わぬ幸せタイムも味わいました。

ただ、それ以上に研修での気付きが刺激的な一日となりました。
この研修は「知識を教える技術」と「意欲を高める技術」の両輪で構成されています。

前半の知識を教える部分は、想定通りスムーズに進行していました。
しかし、後半の意欲を高める部分で、ある参加者から問いかけから一気に議論が燃え上がりました。

「意欲を高めないといけないのでしょうか」です。
傾聴やモチベーション理論で意欲を高め合う方法を伝えようとしていた自分にとって、目から鱗の問題提起でした。

その参加者の指摘は明確でした。
意欲を高める取り組みよりも、むしろ意欲を下げない取り組みの方が重要ではないかというものです。

確かに考えてみると、仕事を高次の欲求実現のために行っている人は少数派かもしれません。
生きるために働いている人の方が圧倒的に多いのが現実です。

そういう人に安易に意欲を高めるアプローチを取ることは、かえって苦痛を与えてしまう可能性があります。
目標設定の提示方法や言い方を誤ると、逆にモチベーションを下げる結果になることもありそうです。

この議論で最近の人材育成で感じていた違和感の正体が見えてきました。
意欲を高める取り組みより、意欲を下げない取り組みの方が効果的な場面は確かに多いのです。

特に中堅リーダーとして現場を見ている人たちにとっては、この視点を実感することが増えています。
この問題提起で始まった集団ディスカッションは、演習の枠を超えて非常に盛り上がりました。

人材育成に日々悩んでいる中堅リーダーだからこその現場感のある意見が次々と出され、とても刺激的で楽しい時間でした。
人材育成において「意欲を高める」ことばかりに注目しがちです。

しかし「意欲を下げない」という視点も同じように大切だということを再確認しました。
どちらのアプローチが適しているかは、相手の状況や背景をよく理解した上で判断する必要があります。

台風で新幹線が遅れるという想定外のトラブルもありました。
ただ、焦らずに各所でビールとおつまみをいただく旅はとてもエキサイティングでした