今年の客先訪問の最終日でしたが、ある経営者との雑談で出た話です。

その経営者は、DXを進める上において、社員に業務の効率化や生産性向上を自ら考えてもらうためにスマホを貸与しようと決めたそうです。
経営者的には「社員全員にスマホを貸与することでコスト増になっても、社員が働きやすくなれば良い」という発想でした。

しかし、経営者の想いとは裏腹に「会社スマホは不要(持ちたくない)」という意見が、たくさん出てきたそうです。
理由はいろいろありますが、闇が深いのは「会社スマホに、自分は管理・監視されている」と感じてしまうパターンです。
コロナが始まった頃に、リモートワークで導入されたシステムで監視されていると感じで、モチベーションが下がってしまった話に似ています。

今回の話ではMDM(モバイルデバイス管理)が、本来の意味と違った形で理解されてしまったことが原因のようです。
なんか、先週もある企業で、そんな話題が出ていましたので、意外と多い話題なのでしょうか…。

MDMの目的は「社員の管理・監視」ではなく、「トラブル時に会社として対応可能とする」ことです。
言い換えれば、スマホに関するリスクを個人の責任に押し付けるものではなく、その責任を軽減させる(社員のミスを可能な限りカバーする)ためのシステムといえます。

管理・監視されているのではないかという「漠然とした不安」は、MDMの役割が理解されていなかったり、MDMでどこまでの情報が取得されるかわからないことが、生み出していると感じます。
逆に言えば、MDM の本来の役割や管理できる範囲を理解することで、「漠然とした不安」を解消できるといえます。

例えば、スマホを紛失した場合、どこで紛失したのかの場所を想定したり、場合によってはスマホデータをリモートで削除したりできます。
電源がOFFになっていたり、SIMを抜かれたりでも、リモートで削除ができない場合も、パスコードの入力間違いが一定回数を超えることと自動で削除を行います。

スマホの最大のリスクは、紛失した場合の情報漏洩であり、MDMによって、それをかなり確率で防ぐことができるのです。

GPSでMDMがどこまで行動を把握をできるかを知り、それによって完全に行動履歴を知るものではないことを、まずは理解してもらうことです。
また、MDMは完璧に位置情報を把握し管理できるものではないので、個々がセキュリティに留意する必要があることを併せて理解する場を作れるとよいですね。

スマホの便利さを享受するには、リスクマネジメントは必須です。
そのためにも、個人のセキュリティの意識、MDMの機能(組織としての対策)が両輪であることを再度認識する必要あることをお伝えしました。

夜は、お世話になっている経営者夫妻と「ヴィネリア カッシーニ」で、Tボーンステーキを頂きました。
初めて見たTボーンステーキに衝撃を受けました。
もちろん、とても美味しかったです。
そして、経営者夫妻との気軽な話はとても楽しかったです。

その後、金山までブラブラと酔い覚ましも兼ねた散歩です。