大阪IT企業様への「ソフトウェア開発における知識体系」研修の配信でした。
システム開発の知識ベースを揃え、認識を合わせる…のが目的です。

今回は「共通フレーム2013」の説明に比重を置きました。
後半は、やや駆け足になってしまいましたが、伝えたいことはちゃんと伝えられ、反応もよかったと感じます。

今回の「ソフトウェア開発における知識体系」の裏テーマは「ソフトウェア開発の不易流行」です。

不易流行のうち不易(変えてはいけないもの)の象徴たるガイドラインが「共通フレーム2013」だと感じます。
一方で流行(変わっていくもの)の象徴たりガイドラインが「PMBOK7」「ITIL4」」だと感じます。

どれも興味津々ですが、特に「共通フレーム2013」の設計思想に共感しており、お気に入りのガイドラインになっています。
ソフトウェア開発での変えてはいけない大切なことを、緩やかに伝えていると感じます。

「共通フレーム2013」はベンダー側だけの話ではなくユーザー側も巻き込んでシステム開発に関わる全ての人の「共通のモノサシ」を目指しています。
それを裏付ける「4段階の要件定義」は、自分にとって大きな共感ポイントです。

4段階とは「事業」「業務」「システム」「ソフトウェア」の要件定義です。
「事業」の観点はユーザーの経営者、「業務」の視点はユーザー事業部門が要件定義を担います。
「システム」レベルはSE(設計担当)が行い、「ソフトウェア」レベルはPG(開発担当)が要件定義を行います。

「事業」「業務」「システム」「ソフトウェア」の4段階で、ユーザーは上の「事業」「業務」から、ベンダーは下の「システム」「ソフトウェア」アプローチが主になります。
アプローチの認識ベクトルが逆なのです。

ベクトルは逆でも、この4段階の階層が繋がっていると共通認識をもつことが大切だと思います。
さもないとユーザーとベンダーで、共通の認識は永遠に持てないからです。

要件定義をその担当者(責任者)の視点で広く捉えていく考え方に共感しました。
「共通フレーム2013」は古いガイドラインかもしれませんが、ユーザーとベンダーの認識違いという古からの問題の、新しい問題解決手段を提示してくれるかもしれません。