名古屋商工会議所でのIT専門相談でした。その時の話題で印象に残った言葉があります。
ある相談者が「してあげたのに…という恨み節を言った時、自分の心の貧しさに気付いた」と話してくれました。
その言葉でハッとしました。自分も無意識のうちに「してあげたのに」と考えてしまうことがあります。
この言葉が自然に出てくるとき、それは心が少し貧しくなっている証かもしれません。
「してあげた」には、見返りを期待する気持ちがあります。
人間ですから、見返りを求めるのは自然なことかもしれませんが、行き過ぎるとギブアンドテイクのギスギスした関係になります。
ビジネスの世界でも「直接的な見返りを求めない」考え方はありだと感じます。
自分が話していて心地よい経営者は「直接的な見返り」だけを求めていない方が多いと感じます。
直接的だけではなく、人の行いは「巡り巡って」自分に戻ってくると感じます。
良い行いも悪い行いも、何らかの形で自分の元に巡って返ってきて、それは直接的により大きくなっていることが多いです。
「してあげたのに」の言葉から、自分の心が少し貧しい状態になっていると気付けたのならラッキーです。
ここで、気付けないと他の言葉や行動も、心が貧しい状態の影響を受けてしまうからです。
こういう状態は自分の視野が狭くなっている合図だとも言えると思います。
ビジネスにおいても、人間関係においても、直接的な見返りだけでなく、自分の行動が巡り巡って広がっていくイメージを持ちたいです。
無意識に「してあげたのに」と思ってしまったとき、それは自分自身への大切なサインと考えています。
心の貧しさに気づき、視野を広げる機会と捉えて、自分自身を取り戻したいものです。




