愛工大「インターネットのビジネス活用」第8講は「ITトレンドを学ぶ意味」でした。
この講義も前半戦の「ネット集客」が終わり、いよいよ後半戦の「ITトレンド」に入ります。

支援の場で「ITトレンド」という言葉を使うと、少し誤解があるなと感じることが多いです。
それは「ITトレンド」は「最新IT」のことであるという誤解です。

過去から今、そして未来に向かってのITの「流れ」です。では、その「流れ」はどのように起きるのでしょうか。
それは人々の「ニーズ」です。

その「ニーズ」の大きさこそがトレンドとして流れを生み出します。
ITトレンドを学ぶ意味は、外部環境としての人々の「ニーズ」から大切なトレンドを見つけ、追い続けるキッカケを作ることです。

ただし、外部環境である世の中の流れを追うだけでは不十分です。
内部資源となる自分の内なる関心である「興味」を含めて、追い続けるトレンドを見つけてほしいと学生には伝えています。

学生に今関心のあるITトレンドを毎年教えてもらっています。
ちょうどコロナの頃から教えてもらい始めたので、最初は「リモート」関連のITが多かったです。

それがNFTやメタバースなど「Web3」関連になり、一昨年から「生成AI」という言葉が出はじめました。
昨年はその言葉の数が増え、今年になると「エージェント」「マルチモーダル」「MCP」「CoT」などの関心が細分化されていました。

この変遷を見ていると、まさに「ニーズの流れ」を感じます。
コロナ禍での働き方の変化から始まり、新しい価値創造への関心、そして今は生成AIの実用化段階へ興味が移っています。

また、グループ演習でAIの未来やリスクなども考えてもらいました。
AIの判断のもとで行う作業の自動化や、AIにノウハウを学ばせての継承、AI活用スキルの習得が重要性などが出ました。

一方で、リスクについては、人間が行う仕事が減ること、事故や損失時の責任の所在、生成AIへの依存でのプロセスのブラックボックス化、自分で考える力を失わせる可能性などがあがりました。

学生はしっかり考えていますね。
ITの進歩が速い今だからこそ、その「意味」を知り、自分たちの「未来」に役立ててほしいです。