豊浜商工会での専門家派遣、そして常滑商工会議所でのIT相談と知多半島での一日でした。
そんな中で、とても印象深いお話を伺うことができましたので、記録したいと思います。

いつもお世話になっている社員想いの社長から、素晴らしい品質マネジメントの取り組みについて教えていただきました。
その手法がとても興味深く、多くの企業にとって参考になる内容だと感じています。

この社長が実践されているのは、まず「素晴らしい人の作業の様子をみんなで観察する」ということです。
そこからチーム全体で良いところを議論し、そこから感じたことをノウハウとして共有するというものです。

「良いところを見つける力」「議論から気付く力」「社内全体に広げる力」を養う場を創られています。

特に印象的だったのは、品質悪化の原因についての考え方でした。
「品質悪化は、そもそも型に当てはまらない予想もしないところにあることもある。なのにデータの枠に当てはめようとするところが問題」とのことです。

この視点は、確かにその通りだと感じました。
決められたデータや指標だけを追いかけていては、本当に大切な情報を見落としてしまう可能性があります。「マクナマラの誤謬」です。

この会社では「何でも記録する」ことを大切にされて、そのメモはまるで交換日記のようだそうです。
これが、後々品質悪化の原因を見つけることにつながり、プロセス改善の重要な手がかりになることが多いとのことでした。

最も心に残ったのは「粗さがし」ではなく「良いところ探し」で行う管理の考え方でした。
この社長らしい、とても温かみのあるアプローチだと感じました。

もちろん、システム化による標準化はとても大切です。
しかし、その過程で大切な情報を取りこぼしてしまう可能性があることも事実です。

この社長からいつも学ばしてもらっているのは、トップダウンのシステム導入や制度変更ではないです。
社員が自然に継続できる習慣を作ることこそがデジタル化だと考えてみえ、とても共感しています。