壮絶にガンと戦い、家族だけではなく、周囲に驚愕と感動を残したパオパオは「やり切って」旅立ちました。

旅立ったのは朝の7時半で、自分が仕事に出かけた直後でした。
おそらく「パパさんは動揺するから、もうちょい我慢しよう」って思ったのだと思います。

なので、自分の中のパオパオは、最後に気持ちよさそうに静かに眠っているパオパオのままです。

明け方のパオパオは、いつもと違う様子で家族みんなの顔を順番にじっとながめていました。
そして、これまでこれまで聞いたことのないような声で「わおーん、わおーん」と泣き続けました。

その声が苦しそうであれば、大慌てになったとおもいますが、やわらかな声でした。
これって「ありがとう、ありがとうって言っているのかなぁ」なんて家族で話していました。

その後、落ち着いた感じで、静かに寝息をたてながら眠っていきました。

自分は出かけるときに、「ありがとう、ありがとう」ってたくさん頭を撫でましたが、たぶん気付いていないでしょうね。
ガリガリにやせてしまいましたが、尊厳を最後まで保った高貴なパオパオでした。

仕事場に着いて、かみさんから連絡が入りました。

あいち機構でしたが、パオパオのことを何人か聞かれて、「実は朝…」というと、皆さん泣いてくれました。
幸せな仔です。

自分は、仕事の間は泣かなかったですが、帰りの電車でとうとう泣けてきてしまいました。
変な人だと思われたと思いますが、それだけパオパオは自分にとっては大きな存在だったのだと思います。

最後まで頑張ってガンに余裕で圧勝したパオパオを見習います。
パオパオ師匠からは教わった、たくさんの教えは忘れないようにします。

自分でできる努力をひたすら続け、周りにも気が配れて、他人のせいにせず、自分勝手な人やワンコには「わん!」と一喝する。
自分は、パオパオ師匠には到底及ばないです。

別れを悲しむより、出会えた幸運を喜びます。

子供のいないうちら夫婦にとっては、正真正銘の本当の子供でした。