少し前ですが自分にとって印象に残った相談があります。
独立して自分で事業を行っている方ですが、「私にはしたいことが無いのです」と話されました。

経営者が集まる場とかで、事業で何を成し遂げたいのか「目標」を問われることがよくあります。
その時に「目標」を答えられないのがコンプレックスだと悩まれていました。

真剣に思いつめた表情での問い掛けでしたが、「あ、僕もです(笑)」って答えました。
実は自分も自分でビジネスをしていますが「したいことが無い人」です。

「目標」を問われて、自分なりに考えて言語化しても違和感だけだし、薄っぺらいです。
ただ、「したいことが無い人」の表現を変えると「成し遂げたいこと(目標)が無い人」といった方がしっくりきます。

以前は「目標」を問われたとき、できればカッコイイことのひとつも言いたいと思っていました。
実は自分もそれが出来ないことを同じくコンプレックスに思っていたわけです。

経営者が集まる場で、自分が成し遂げたいことを言語化されている人達に出会うと凄いなぁって思うと同時に尊敬します。
ただ、自分的にはそういう人達をサポートできればと思いますし、それこそが自分の「したいこと」です。

自分に相談をされた方も、すべて分かったうえでの自分への相談でした。
その方も人が「成し遂げたいこと」をサポートすることが「したいこと」だそうで、多分わかってもらえる自分に相談したとのことでした。

それに、自分自身に「成し遂げたいこと」が無くても、人が成し遂げたいサポートをしたいことは立派な「したいことが有る人」だと思います。
独立して事業を行っている人全てに自分の「成し遂げたいこと」があるわけではない…ととても共感しました。

「成し遂げたいこと」を無理やり表現した言葉は、むしろ薄っぺらい言葉として聞えてきます。
自分の言葉で自分のしたいことを正々と語ればそれで十分ですし、その表現に異を唱える人の方が「異な人」だと思います。