名古屋市新事業支援センターでのマネージャ業務でした。
生成AIの相談が多かったですが、その中で印象に残った話がありました。創業時の人間関係の構築についてです。

創業した頃、自分は売上げを上げることだけが目標になってしまい、いつの間にか目に”¥”マークが浮かぶような状態になっていました。
その結果、心が苦しくなることも多かったのです。

そんな時に出会った恩人の言葉が「目に”¥”マークの浮き出た人には仕事が頼めない」というものでした。
この言葉は、自分の「あり方」を方向づける大切な教訓となりました。

その後、私の目標は「売上げを上げること」から自分自身で行動ができる「人に会うこと」へと変化しました。
これ自体は間違ってはいないと思います。

しかし、創業初期には「とにかくたくさんの人に名刺を配る」ことに注力していました。
振り返ってみると、その時に渡した名刺の中で、今も繋がっている人は僅かです。

数百人という人と会い、名刺を交換し、繋がったと思っていましたが、実際にはほとんどが「繋がったつもり」の一時的なものでした。
その中に今でも大切にしている数名の方がいると思えば、この時間が無駄とは言えないです。

ただ、年を重ねるにつれて、自分の時間の有限性を実感するようになりました。
「たくさんの人に会う」ことは正しくても、今の自分には大切な人との関係性を深めることの方が大切であると感じています。

また、こうした深い関係性を育んでいると、そこから自然と新しい大切な出会いが生まれてくるのです。
広く浅い関係を作るよりも、狭く深い関係を築くことで、結果的により豊かな繋がりが形成されていると感じます。

これはSNSでも同じで、たくさんのフォロワーを獲得しても、その関係性が深まらなければ、意味はあまりないと感じます。
SNSでの繋がりが容易になった今こそ、一人ひとりとの関係の「質」が問われていると感じます。

人脈作りの重要性がこれまで以上に大切になっていくと感じます。しかし単に名刺交換の数が大切なのではありません。
そして、信頼関係を築くには時間と誠実さが必要だということです。