名古屋市新事業支援センターでのマネージャー業務の中で、思わぬ深い話に入り込みました。
それは「怒りはルールを破られたとき、自己嫌悪はルールを破ったときに襲われる」です。

この言葉を聞いた瞬間、なるほどと腑に落ちるものがありました。
日々の業務や人間関係で感じるモヤモヤした感情の正体が、少し見えてきたような気がしたのです。

怒りは他の誰かによって、自分のルールを破られたときにこみ上げてくる感情だそうです。
「時間は守るべき」「約束は破ってはいけない」など、無意識のうちに様々な自分のルールを持っています。

そして、誰かがそのルールを破ったとします。
理性では「他人に自分のルールを強制するなんて愚かなこと」とわかっているのに、感情は勝手にこみあげてきます。

一方の自己嫌悪は、自分自身で自分が決めたルールを破った時に襲われる感情です。
「失敗してはいけない」「ミスは許されない」といった強迫観念に近いルールを自分に課している人は多いです。

怒りと自己嫌悪の両方に共通するのは「ルールの存在」です。
もちろん、ルールは大切です。もしそれが全くなければ無法地帯になってしまいます。

しかし、問題はルールを作りすぎて、周囲や自分を固定概念で固めすぎてしまうことです。
自分も確かに自分で不要なルールをたくさん作って、怒りや自己嫌悪を呼んでいる感じがしました。

では、どうすればよいか? 現場での経験から、いくつかの改善策をメモしておきたいと思います。
まず、自分が持っているルールを「見える化」してみることです。

紙に書き出してみると、意外に多くの自分ルールがあることに気づけます。
そして、その中で本当に必要なものと、単なる思い込みや習慣に過ぎないものを分けてみるのです。

次に、ルールに優先順位をつけることです。
すべてのルールを同じ重要度で扱うのではなく、「これだけは絶対に守りたい」「これは状況に応じて柔軟に」とメリハリをつけてみます。

「ルール」を破られること、破ることに少し寛容になれれば、もっと楽に生きられそうです。
単なる妥協ではなく、より前向きで生きやすい生き方への転換だと思います。