先週の相談業務や自分自身の振り返りで気づくことがありました。定期的に思い出すことです。
それは「今が辛い」と相談に来られる方の多くが、実際には感情によって状況を必要以上に重く捉えてしまっているケースがあることです。

自分自身も日々の仕事で、「これは大変なことになった」と感じる瞬間があります。
しかし後から振り返ってみると、その時の感情が状況を実際以上に深刻に見せていたことがよくあります。

人は、思っている以上に状況を冷静に分析することが難しいものです。特に精神的に追い込まれている時は、なおさらです。
例えば、プロジェクトの進捗で想定外がたくさん起きた時「このままでは絶対に失敗する」と焦ることがあります。

でも実際に数字を整理し、関係者と話をしてみると、思っていたほど深刻ではないと認識できることも多いです。
感覚や感情というのは、私たちの判断に大きな影響を与えます。

「なんとなく嫌な予感がする」「なんとなく上手くいかない気がする」といった曖昧な感覚が、いつの間にか確固たる事実のように思えてしまうのです。
こうした状況に陥った時に私が実践していることがあります。

それは「一度立ち止まって、事実と感情を分けて整理する」ということです。
具体的には、まず紙に書き出してみます。左側に「実際に起きている事実」、右側に「自分が感じている感情や推測」を分けて記載するのです。

この作業をするだけで、意外にも「事実」の部分がそれほど深刻ではないことに気づくことが多々あります。
また、信頼できる同僚や上司に状況を説明してみることも効果的です。

第三者の視点を通すことで、自分の感情で歪められた認識を修正できる場合があります。
もちろん、全ての辛い状況が感情の産物というわけではありません。現実的に困難な問題も存在します。

しかし、まずは感情と事実を切り分けて考えてみることで、問題解決への道筋が見えてくることも多いのです。
意外と「本当に大変な状況」は、全くの想定外から起きることがほとんどだと感じます。想定の範囲を拡げたいものです。