名古屋市新事業支援センターでのマネージャ業務でした。ちょっと深めの人生相談(?)が多い一日でした。
相談者は外的な要因で上手くいかないことが多くなっているそうで、今のビジネスに疲れてきているとのことでした。
一方で副業でしているビジネスは好調なので、自分はそちらに切り替えた方がよいのでは…との悩みでした。
どちらも助言系のビジネスで、本業はカウンセリング的要素が強く、副業はコンサルティング要素が強い感じです。
カウンセリング的要素とは感情に寄り添う場面が多く、コンサルティング要素とは専門知識で論理的にアプローチする感じです。
その方はカウンセリングの専門家であり、感情に寄り添うこともしっかりできています。
ただ、その方の論理的なアプローチは素晴らしく、事実やデータに基づく分析力、提案力は大きな強みだと感じていました。
そんな中、本業が上手くいかないことで心が疲れてしまい、本業は自分に向いていないと思ってしまったようでした。
たしかに本業のビジネスは感覚的アプローチの比重が、副業は論理的アプローチの比重が多いと感じました。
ただ掘り下げて聞いてみると、今疲れてしまっているのは、ビジネスの特性ではなく、顧客の自立度の違いであると感じました。
本業の方でカウンセリング要素が必要となるのは、その顧客に依存性の高い「自分で決められない人」が比較的多いからだとわかりました。
助言をしても感覚的にループすることも多く、論理的なアプローチの効果がでにくい顧客です。それで疲れていたわけです。
一方の副業の方は「選択肢を提示することで自分で決定できる人」が多く、論理的なアプローチの効果が直ぐに出やすい顧客が多かったです。
ただ、これはビジネスの種類に直結するのではなく、本業にも「自分で決定できる人」はいるし、副業にも「決められない人」はいるものです。
今、心が疲れている状態で本業は向いていない、副業は向いていると判断するのはよくないと思いました。
この話をしたところ少しスッキリしたそうです。
せっかく培った本業の様々な資産を捨ててしまうよりは、「自分で決定できる人」にアプローチできる方法を模索したほうがよいと伝えました。
心が疲れているときに人生の重大な判断をしない方がよいと考えています。
ビジネスをしていると、自分ではどうにもならないことで心が疲れてしまうことはあります。
そんな時は、一度休んで自分を振り返ってみるとよいと思います。前に進めそうと言ってもらえて本当に嬉しかったです。




